英語学習ブログ

英語など興味のあることを綴ります。

書評『ノンデザイナーズ・デザインブック』シンプルでよく効く資料作成の原則

本書は英語プレゼンテーションのための本ではないのですが、原書『Non-Designer's Presentation Book, The』の翻訳本なので、スライドの例は英語です。

そもそもデジタルのスライドが必要あるのか、それが伝えるために本当に最適方法かという根の部分から掘り下げて考えさせてくれます。

大きい会場ならスクリーンが見にくい場合があるので、プリントアウト資料を使う。そうすれば、メモをとって持ち帰ることができる。

少人数なら黒板とプリントアウト資料を補助で使った方がより参加型の臨場感あるプレゼンテーションができるなど。

それらを踏まえたうえで、本当に必要ならスライドを作成しましょう、というスタンスです。スライドがメインなのではなく、あくまで話し手自身がメインでその補助としての資料作成の仕方が書かれています

 

 

シンプルでよく効く資料作成の原則 - コンテンツとデザインからプレゼンを変える-

 

 

こんな人におすすめ!

  • 英語のプレゼンテーションをする
  • 冴えないプレゼンテーションスライドを改善したい
  • デザイナーではない

 

著者経歴

本書はRobin Williamsさんの翻訳本です。デザイン、タイポグラフィMac、Webなどの分野で学校、カンファレンス、会社やワークショップなどで講演、プレゼンテーションを数百回行っている方です。彼女がデザインしプロデュースした書籍の多くはベストセラーです。

 

ポイント

プレゼンテーションのスライド作成に特化している

とにかく例題が豊富です。ビフォーアフター形式でどこをどう改善したか見てわかるように作成されており、理解しやすいです。本書自体がビジュアルが主張を助けている好例といえます。

AppleKeynoteで説明されているので、MicrosoftPowerPointを使用の場合は使えないアニメーションの設定などがあります。しかし、ほとんどの部分はどのソフトウェアでも通じるデザインの原則で、すぐに応用できます。(私はPowerPointを使用しています)

 

コンテンツを最適化するための4原則

プレゼンテーションデザインのコンセプトを考えるために、本書は下記の4つの原則に従って、コンテンツの見直し方が説明されています

  1. 明快さ (テキストを短くすることで、デザインの選択肢が増え、聴衆を飽きさせず、あなたの話に集中できるようになる)
  2. 関連性(ロゴ、背景など不要なものは全て取り除き、プレゼンテーションの内容に必要なもののみ使用する)
  3. アニメーション(極力少なく使用。注目を引きたいときだけ使用する。どんな場面でアニメーションが効果的か説明しています)
  4. プロット(ストーリー性のある筋書きの書き方を説明しています)

 

スライドデザインの4原則

4つのデザインの仕方が説明されています。

  1. コントラスト(どうすれば関心をひくスライドになるか)
  2. 反復(どうすればまとまりのあるデザインになるか)
  3. 整列(どうすれば整理されているように見えるのか)
  4. 近接(どうすれば情報をグループ化できるか)

 

また、それらを同時に使用することで、より効果的なスライド作成を実現できると説明しています。

個人的にはコントラストのかけ方少し変えながら反復するデザインは非常に参考になりました。早速使わせてもらいました。

 上記3つ(近接以外)を組み合わせると使ってみるとこんな感じです。

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コントラストを利用して文字を浮かび上がらせます。微妙にグラデーションを変えながら、デザインを反復します。メッセージを見てほしいときは、数字を薄くします。スライドのメッセージ及び数字を同一の位置からスタートします。

 

こういう人には参考にならないかも

  • プレゼンテーションスライド以外のデザインを知りたい
  • PowerPointの効果的なアニメーションが知りたい
  • 和訳本が嫌いだ

 

本ですべきではないギャグがたまに記載されており、またそのまま和訳されているため、笑えないです。私はその点だけとてもいらいらしました。

本書はAppleKeynoteを例にして説明しているので、紹介されているアニメーションはPowerPointにないものでした。なので、PowerPointのアニメーションを学びたい場合は、本書は向きません。

 

まとめ

デザイナーではない人のために書かれたプレゼンテーションのスライド作成に特化した本です。英語のプレゼンテーション資料を作成する際に、スライドを改善したという方には一読する価値のある本だと思います。