英語学習ブログ

英語など興味のあることを綴ります。

書評『英語プレゼンハンドブック』ビジネス英語プレゼンテーションをするなら手元に置いておきたい必読書

[プレゼンビジネス英単語・フレーズが満載]

 

 

英語プレゼンハンドブック(CD BOOK)

 

 

こんな人におすすめ!

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  • プレゼンテーションで使用する英単語・フレーズ・言い回しが知りたい方
  • 英語によるプレゼンテーションをすることになったが、何から手をつけたらよいかわからない方
  • ビジネス現場で英語によるプレゼンテーションをする方

 

著者経歴

著者は、英文学科卒、カリフォルニア大学に留学経験あり。コンサルティング・ドキュメント制作会社に入社にて営業、制作、商品開発、販売促進活動などに携わったようです。

書籍の切り口は、「英語」x「会社(ビジネス)」が大半であり、ビジネス英語に関して信頼性の高い方です。

 

プレゼンテーションで使用する英単語・フレーズを網羅

うたい文句の「これ一冊で乗り切れる」とはよく言ったもので、ビジネス英語プレゼンテーションで必要な単語、フレーズがびっくりするくらい網羅されており、非常に勉強になります。

「ヤバい・・・突然英語プレゼンしないといけなくなった!」、「グラフってどう説明するんだ?」、「販売戦略について質問されたらどうしよう」という場合でも即座に効力をもたらしてくれるでしょう。特に海外営業担当者は必読です。

 

一部の目次を引用します。いかに網羅されているかがわかるかと思います。

導入

  • 挨拶をする
  • プレゼンを始めることを伝える
  • 参加者に謝辞を述べる
  • 自己紹介をする
  • 会社の紹介をする
  • プレゼンテーションの主題を述べる
  • プレゼンテーションの目的を述べる
  • プレゼンテーションの所要時間を述べる
  • 質疑応答について述べる
  • プレゼンテーションの概要(流れ)を説明する
  • 追加で触れる項目について述べる

本論

  • プレゼンテーションに入る
  • 意見を述べる/関心をひく
  • 事実を述べる
  • 理由や根拠を述べる
  • 特徴を述べる
  • 例を示す
  • 図表の説明をする
  • 表の部分について説明する
  • 数値を用いて説明する
  • 図表の説明をする表す意味について述べる
  • 違いや類似点を述べる
  • 引用する
  • 話題を移す

結論

  • まとめる
  • 謝辞を述べる
  • 質疑応答
  • 質問に対する感想を述べる
  • 聞き取れなかったときに・・・
  • 回答について確認する
  • 回答できない場合
  • 質問の最後に・・・

 

 

各々の場面にて、たくさんのフレーズが収録されています。語彙力が少ないと言い回しが単調になりがちですが、それを補ってくれる豊富な言い回しが記載されています

上記は一部の目次で、その他にも数字、グラフ、図表に使う単語、会社の説明に関する単語やプレゼンテーションで想定されるQ&Aの答え方が記載されています。

 

プレゼンテーションの流れが明確になる

一般的なプレゼンテーションの流れ(導入~本論~結論)が明確に記載されており、プレゼンテーション初心者でも応用しやすい構成になっています。

「プレゼンテーションって何から手をつけてよいかわからない!」という場合、まずは日本語でよいので伝えたいことを書き出し、本書の流れに沿ってプレゼンテーションの流れを考えてみることをおすすめします。本論(肝心な内容)部分は各々で考えなくてはなりませんが、どんなことを伝えたら納得が得られるかなという視点を得る上で参考になると思います。

プレゼンテーション経験者にとっても各段階で何を伝えるべきか、抜け漏れを確認する際にも役に立ちます。

  

プレゼンテーション初心者にも優しい

基本的で効果的なスライド作成が学べる

悪い例、良い例のスライドを対比してどこに気を付けてパワーポイントのスライドを作成するかというポイントが説明されています。また、スライドに使用すべき具体的なフォントサイズも説明されています。

 

 英語によるプレゼンテーション独特のルールの説明がある

たとえば、

  • 受動態ではなく能動態を積極的に使う
  • タイトルでも前置詞か冠詞は小文字のまま 例:「Action Plan in Q3」
  • 出だしの単語の品詞を同じレベルに揃える *下記引用文参照

(悪い例)

Features of ECO 1000

  • Increase production
  • Energy saving
  • Can reduce CO2 emissions

(良い例)

ECO 1000 can…

  • increase production
  • save energy
  • reduce CO2 emissions

 

日本語でも共通の注意点・コツの説明がある

たとえば

  • マイナス表現を避ける ex, cost(コスト)→investment(投資)
  • 進行具合によって時間調整できるスライドをいれておく
  • 各スライドにかかる所要時間を計っておく

 

「円グラフをご覧ください。」と英語で言えますか?

日本語では当たり前に言える会社の説明や図表の説明に必要な単語やフレーズ、プレゼン後のフォローアップメールの書き方も書かれています。

Please take a look at the pie chart.

円グラフをご覧ください。

 

こういう人には参考にならないかも

・ 英語上級者

上級者は知っている単語・フレーズです。ただ、言い回しを増やしたい場合には参考になると思います。

 ・ スライド作成のデザインを学びたい方

本書は基本的で効果的なスライドの作成の説明はありますが、その一歩先のインパクトのあるスライド作成を目指す方にとっては、その点は参考にならないと思います。

・新しい本を読みたい方

 出版年2010年と少し古いです。個人的には内容は普遍的なもので、現在も使用されているフレーズばかりでしたので、気にしなくてよいと思っております。

・深く理解しないと単語やフレーズを使用できない人

本書には以下のような同義語が多数みられる。

  • Overview 概要
  • Outline  概要

両方とも概要。どう違うの?というところは説明がない。

recently, lately, these daysも最近としか訳がありません。

わからないと自信を持って使用できない人にはつらいところです。

 

・細かい点が気になる方

P122の

as of Junuary 1, 2010(2010年1月1日現在)

1月はJanuaryなので、スペルミスです。Junuaryは造語で、(June + January)の組み合わせたもので、すごく寒い夏の日という別の意味になります。

細かい点ですが、単語・フレーズを紹介する書籍として、単語のミスはいただけません。

また、

I’m here today to talk about our consulting service.

本日は、弊社のコンサルティングサービスについてお話させていただきます。

日本語訳のみで補助の説明はあまりありません。

例えば上記引用文では、「本日こちらに参りましたのは」というニュアンスがあるのかどうかわかりません。そのため、どこかに訪問してプレゼンしない状況、例えば、来客を招いて、自社内の会議室でプレゼンする場合にこの「I’m here today to talk about...」という表現は使えるのかどうかわからないです。

上記のように細かい点まで気を配る方には使用に際し困惑する時があると思います。

 

まとめ 

  • ビジネス英語プレゼンテーションで必要な単語、フレーズが簡潔にわかりやすく網羅されています
  • プレゼンテーションの流れに沿った構成で、その流れに沿って考えるだけでまとまった分かりやすいプレゼンテーションができるようになります。
  • 基本的で効果的なスライド作成が可能になります。

プレゼンテーション初心者にとっては、効果的なスライド作成からプレゼンテーションの組み立て方を学べると同時にビジネス英語のフレーズも一緒に学べます。

初級者、中級者の英語学習者でプレゼンテーションの機会がある方にはいつでも見返すことができるように手元に置いておきたい必読書といえます。

おまけ~こんなことが学べます

参考までに、私は本書を読むまでグラフや図表を英語で説明できなかったので、本書から学び、得た知識を応用して作成した文章を記載します。

 

例:         

The vertical line (y axis) represents the sales amount.
縦軸は売上高を表しています。
On the horizontal line (x axis) we have years.
横軸は年です。
As the graph indicates, the sales amount of our company has increased by 20%.
グラフが示すように、弊社の売上は20%増加しました。
The dotted line shows the sales forecast in the next two years.
点線は今後二年間の売り上げ予測を示しています。
The segment in yellow shows our market share.     
黄色の部分は、弊社のマーケットシェアを表しています。
The figure in green represents the target for this year.         
緑色の数字は、今年の目標です。
As you can see from the pie chart, we definitely need to focus on performing the new strategy immediately.
円グラフからわかるように、早急に新しい対策を講じる必要があります。